大蛇と結婚した娘
島根県の民話
むかしむかし、ある大金持ちの家に、とても美しい娘がいました。
娘は小さいころから、谷田池の名前を口にして、その池に行きたいといっていました。
谷田池は、ここから歩いて何日もかかる所にある大きな池ですが、娘を一度も連れていったことなどないので、家の者たちは不思議に思っていました。
さて、娘が十六才になった年の春の事です。
娘は何度も父親にたのんで、やっと池へいくことを許してもらいました。
ですが、途中でなにかあったらたいへんと、父親は娘に何人ものお供をつけました。
そして何日もかかって、やっと谷田池につきました。
何年も心待ちにしていたところです。
娘は池のほとりにある小きな社の前で、静かに手を合わせました。
お祈りがすむと、娘は池の水で手を洗いたいといって、お供の者たちから離れていきました。
そしてそのまま、池の中へ入っていったのです。
ビックリしたお供の者たちが、慌てて引き戻そうとすると、娘は見る見るヘビの姿に変わって、水の中に消えてしまったのです。
実は娘は、生まれてくる前の前世から、谷田池の底に住むオスのヘビに恋をしていたのです。
それから何年かたった、ある年の五月の事です。
谷田池の持ち主が、池を土で埋めて田畑にしようとしました。
そして、池の主の大蛇が暴れて工事の邪魔をしないように、お坊さんに七日間のお祈りをお願いしました。
すると七日目の夜、池に住む夫婦の大蛇が、うろこを一枚、池のほとりに置いて、どこかへ姿を消していったという事です。
お供:陪同,陪伴,随同。
心待ち:(心中暗自)期待,(一心)盼望。
ほとり:边,旁边。
社:神社。神殿。
引き戻す:拉回,拖回;领回。
見る見る:眼看着。
持ち主:持有者,所有人。
暴れる:乱闹。
和大蛇结婚的姑娘
岛根县民间故事
从前,有一个大财主,他家有一位美丽的姑娘。
姑娘从很小的时候就开始说一个叫“谷田池”的地方,她说想去那里。
谷田池是一处大池塘,离这里要走好几天才能到,可从来没有人带姑娘去过那里,家里的人都觉得不可思议。
话说姑娘十六岁那年的春天。
因为姑娘多次央求爸爸,爸爸终于同意她去那个池塘。
可爸爸担心路上会出什么事情,所以让几个人跟随着她一起去。
走了几天,终于到了谷田池。
这个地方是姑娘一直想去的地方。
她来到池塘边的一个小神社前,默默的合掌祈祷。
祈祷结束后,姑娘说想到池塘边洗手,离开了跟随的人。
然后,穿着衣服进到了河里。
跟随的人看到了都吃了一惊,慌忙想阻止她,可姑娘转眼之间变成了蛇的样子,消失在水里。
原来,姑娘在出生之前的前世,就和谷田池底的一条雄蛇恋爱了。
这件事情之后过了几年后的五月的一天。
谷田池的主人想把池塘填上用来做耕地。
为了不让大蛇闹事,池塘的主人请和尚祈祷了整整七天。
到了第七天的夜里,住在池塘里的大蛇夫妇,从池塘里离开不知去了哪里。临走前在池塘的边上留下了一片蛇鳞。
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