配電線にはいろいろな種類があり、例えば次のように、
単相2線式
(一番簡単?分かりやすい配電方式)
単相3線式
(一般家庭に届いている電気のほとんどはこの配電方式)
三相3線式(Y結線)
(ポンプを動かしたりする電気をいっぱい使う動力用の電気はこの配電方式)
三相3線式(Δ結線)
(ポンプを動かしたりする電気をいっぱい使う動力用の電気はこの配電方式)
などがあります。
第二種電気工事士の筆記試験の計算問題でよく出題されるのは、
「単相2線式」と「単相3線式」と「三相3線式」
ですので、この三つの配電方式はしっかりと勉強しておくようにしましょう!
って、上にかいてある全部ですね???
それから、配電線は発電所で作られた電気が送られてくるので、もちろん「交流」ですよ。
Y結線は「ワイけっせん」とか「スターけっせん」とよばれています。
Δ結線は「デルタけっせん」とか「さんかく(三角)けっせん」とか「ほしがた(星形)けっせん」とよばれています。
自分が好きなよび方でよんでいいです。
私の場合はそれぞれ「わいけっせん」「でるたけっせん」と言っています。このように言っている人が多いように思います。「すたーけっせん」もまあまあいるかな。
単相2線式は配電方式の中で一番簡単で分かりやすい配電方式で、次のような回路になります。
負荷に電線が2本つながれていて、一つは電圧線(黒色)、もう一つは接地線(白色)になります。
電線が2本だけなので、直流回路みたいで簡単で分かりやすいですよね。
電圧線は電圧がかかっている電線で、この電圧線が負荷につながれているので負荷に電圧がかかります。
接地線というのは、接地(アース)につながれている電線で、接地(アース)につながれている(これを接地(アース)されているといいます)とその電線の電圧は基本的にゼロボルトになります。
上の図では電圧線と接地線の間が100[V]なので、電圧線の電圧が100[V]で接地線の電圧が0[V]ということになります。ですので、100[V]と0[V]で電圧の差(電位差といいます)があるので、負荷に電流が流れます。
アースの図記号は上の図のように横棒3本で表わします。
単相3線式は配電方式の中で最も普及している配電方式で、ほとんどの住宅にきている電気はこの単相3線式で供給されています。
みなさんのおうちにもこの単相3線式で電気がきています。
(まれに単相2線式もありますが???)
単相3線式は次のような回路になります。
ちょっと変わった回路ですね~ 電源2個あるし???
負荷は3個あるし???
ここで、単相3線式とはどのようなものか考えるために、この図をちょっと変えてみます。
右側に3個書いている「負荷」の意味は「ここにそれぞれ「負荷」が接続されるんですよ」という意味なので、
負荷が接続される=おうちの場合コンセント
と考えると、上の回路図の「負荷」を「コンセント」で置き換えて、次のように表わすことができます。
するとこの図をみると、コンセント①とコンセント②はそれぞれ交流電源100[V]に接続されています。
ですので、コンセント①と②には100[V]の家電製品をつなぐことができます。
例えば、パソコン、テレビ、オーディオとかですね。
次にコンセント③ですが、これは上側の交流電源100[V]と下側の交流電源100[V]に接続されています。
すると、100[V]が2つなので、コンセント③は交流200[V]に接続されていることになります。
ですので、コンセント③には200[V]の家電製品をつなぐことができます。
例えば、200[V]で動くエアコン、IHクッキングヒーターとかですね。
このように単相3線式は、
電線3本で100[V]二つと200[V]一つの電源を供給
することができます。
単相3線式の電流は次のように上側の100[V]と下側の100[V]と200[V]でそれぞれ次のように流れます。
昔と違って最近は200[V]で動く電気機器が増えてきているので、単相2線式は無くなりつつあり単相3線式が増えてきているんです。
三相3線式の特徴は、電線3本で3つの負荷に電力を供給できる点です。
三相3線式にはY結線とΔ結線があります。Y結線の三相3線式は次のような回路になります。
上の回路図に「赤-白間200[V]」、「白-黒間200[V]」、「赤-黒間200[V]」と書いてありますが、これらの200[V]の電圧は、電圧線と電圧線の間の電圧なので、
線間電圧
とよばれるものです。
負荷がA、B、Cとありますが、それぞれの負荷にかかっている電圧は、
相電圧
とよばれています。
また電流については、各電圧線に流れる電流を
線電流
といい、各負荷A、B、Cに流れる電流を
相電流
といいます。
いろいろとゴチャゴチャと回路図に書かれていますが、ここでおぼえておいてほしいのは、
「線間電圧」、「相電圧」、「線電流」、「相電流」
と、これらの関係を表わす次の2つです。
①三相3線式(Y結線)の場合、線間電圧=√3×相電圧
②三相3線式(Y結線)の場合、線電流=相電流
この2つの式についての問題が第二種電気工事士の筆記試験でも度々出題されているので、おぼえておきましょう。
三相3線式(Δ結線)の特徴は、三相3線式(Y結線)と同じように電線3本で3つの負荷(相)に電力を供給できる点です。
三相3線式には先ほどのY結線とΔ結線があります。
Δ結線の三相3線式は次のような回路になります。
上の回路図に「赤-白間200[V]」、「白-黒間200[V]」、「赤-黒間200[V]」と書いてありますが、これらの200[V]の電圧は、電圧線と電圧線の間の電圧なので、
線間電圧
とよばれるものです。(三相3線式(Y結線)と同じです。)
負荷がA、B、Cとありますが、それぞれの負荷にかかっている電圧は、
相電圧
とよばれています。(これも三相3線式(Y結線)と同じです。)
また電流については、各電圧線に流れる電流を
線電流
といい、各負荷A、B、Cに流れる電流を
相電流
といいます。(これも三相3線式(Y結線)と同じです。)
ここでおぼえておいてほしいのは、
「線間電圧」、「相電圧」、「線電流」、「相電流」
と、Δ結線の場合のこれらの関係を表わす次の2つです。
①三相3線式(Δ結線)の場合、線間電圧=相電圧
②三相3線式(Δ結線)の場合、線電流=√3×相電流
この2つの式についての問題が第二種電気工事士の筆記試験でも度々出題されているので、Δ結線の場合とあわせあておぼえておきましょう。
三相3線式(Y結線)の場合と三相3線式(Δ結線)の場合の「線間電圧」、「相電圧」、「線電流」、「相電流」の関係を次の表にまとめておきます。
三相3線式(Y結線) | 三相3線式(Δ結線) | |
線間電圧と相電圧の関係 | 線間電圧=√3×相電圧 | 線間電圧=相電圧 |
線電流と相電流の関係 | 線電流=相電流 | 線電流=√3×相電流 |
配電線の電圧降下や断線などについても解説していますので、配電線の種類が分かったらこちらも勉強してみましょう。
消費電力 ? 配電方式と消費電力
電圧降下 ? 配電線の電圧降下
電力損失 ? 配電線の電力損失
断線 ? 配電線の断線
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